他人の空似

創作小話やネタなどをだらだらと。

CCC!!/Cat and Crow with Corpse +α

※この話は本編『CCC!!/Cat and Crow with Corpse』の番外編(没ネタ)になります。

 伊波の過去話という形をとっていますが、本編とは一切関係はありません

※結構書けたので供養です。別の世界線やパロディで使うかもしれません。

 

生きにくい、息しにくい

 自分の異常性を認識したのは割と早い頃だった。

 文字が読めない。

 話していることはわかっているが、文字が読めないのだ。ぼやけたり、滲んで見える。もちろん書くこともできない。相手が話している内容と文字が合わないのだ。

 そのことに気付いたのは4歳のころ。絵本を読み聞かせられても母がどこを見ているのかわからない。その頃の私は文字が読めないことに不便さを感じなかったが、幼稚園に通うようになってからは自分が周囲の子供と違うことが分かった。

 母に早く打ち明けたが、頑張れば読めるようになると言われただけだった。

 それから数年後には小学校に行くようになってからは更に大変だった。教科書は読めないし、板書もできない。そうなってくればいよいよ母も深刻に思ったのか、病院に連れて行くようになった。

 病院での診断は発達性ディスレクシア。先天的に文字の読み書きが困難な障害のことだ。母は難しい顔をしていた。病院から帰った時のことはよく覚えている。一緒にスーパーに行き、私の好きなお菓子とアイス、ジュースを買ってくれた。帰り道でアイスを食べた。母は私と手を繋いで歩いていた。

『気付いてあげられなくてごめんね』

 途中で母はそういうとそれから何も話さなくなった。

 

 次の日、母は私と一緒に学校に来てくれた。初めて校長室に入ったので緊張したが、母は私の手を握っていてくれたので怖くはなかった。母は校長と担任の先生に、私が文字の読み書きが難しい障害を抱えていると説明してくれた。学校での勉強は私にとって難しいので、授業中は録音させてほしいとも言ってくれた。

 先生たちは初めての事例なようで狼狽えることはあったが、その日から教卓の上には録音機が置かれるようになっていた。

 それから教科書や板書にも工夫をして授業中の問題は改善されていった。教科書は専用のものが見つからなかったのか、先生があらかじめ見やすいように音節ごとに区切ったプリントを作ってくれた。私も授業中は色ペンを多用した。登場人物ごとに色分けをしたり、文字の読み書きも少しづつではあるがわかるようになってきた。

 一番得意なのは算数と理科だった。算数は文字が重要ではなかったし、私は数字は理解できたので解くのは簡単だった。理科も実験内容を覚えれば答えるのは楽しかった。母は「貴女は頭が良いんだから将来は博士になれるかもね」と楽しそうに言っていた。

 テストの時間は私だけ別室だった。文字を読むのにまだ時間がかかるので、皆とは違う教室で行っていた。先生が問題を読み上げ、それに私が口頭で答える方法だった。

 国語の点数はあまりよくなかったが、他の教科はある程度は取れていたと思う。

「貴女は私の自慢の娘ね」

 母の口癖だ。皆から支えられ、家族から愛されて。私は幸せだった。