他人の空似

創作小話やネタなどをだらだらと。

夜明けの烏

夜明けの烏(2)

走る音が聞こえて目が覚めた。体にはいつの間にかジャケットがかけられていた。入室とともに八咫がフックに掛けたものだ。時間を確認すれば三十分ほど経っている。対面に座っている冴は既に資料に目を通し終えたようで、テーブル上には紙束が置かれている。…

夜明けの烏(1)

夜が明ける、早朝の空が好きだった。 黒く塗りつぶされた空が段々と色を取り戻していく。軈て見える朝日は私の肌を照らしては暖かさを与えて、朝露に濡れた深緑の香りを目一杯肺に吸い込む。鳥達が飛び出す時の羽撃く音を聞くと目が醒めた気がする。五感を満…